自分をつくる経験
Queen のフレディ・マーキュリーの生き方にスポットを当てた映画、『ボヘミアンラプソディー』が公開されてから、今なおブームが続いているようですが、なぜこんなにも世界的にブームになっているのか、みなさんは考えたことがあるでしょうか。
[ Queenの魅力 ]
Queenは以前から知っていて私もこの映画を見ましたが、映画に感動したというより、映画を見てからなぜかわからないけれど、Queen
についてもっと知りたいという気持ちになりました。
俳優の演じているQueenではなく、本当のQueenの姿を見てみたいと思ったのです。
私は、実は流行りものに巻かれるのはいやなタイプで、つい反抗したくなってしまうので、この気持ちは自分でもとても不思議でした。(ただ、なぜそんなに流行るのかということにはとても興味が湧くのですが)
フレディの歌っている姿、他のメンバーたちの演奏している姿を見て真っ先に思ったことは、
とても生き生きとしていて、全身でその瞬間を楽しみ、全力でそ瞬間を生きている
ということです。
彼らは、音楽づくりから舞台演出に至るまで、ほぼ自分たちで考えています。
そこには、メンバー4人の思いがたくさん詰まっており、4人それぞれの個性を融合させた作品が存在しているのです。
彼らの演奏や歌は、Queenという唯一無二な作品をつくっているひとつの要素にすぎません。
メンバー達は内側から湧き上がる熱いエネルギーを、外の世界へ向かって自分の全てを用いて表現しているのだと思います。
メンバーの中でも、とりわけフレディ・マーキュリーが注目されていますが、それは何故なのでしょうか。
私が思う一部をあげてみました。
- ボーカルというキラキラした存在であること。
- ピアノやギターなども自由に操れ、多才である。
- 彼の力強く立体感のある歌声や、キャラクターにとてもオリジナリティがあるということ。
- 自分という存在や信念を示したいという思いが歌声に込められ、それが体全体から強く伝わってくる。
- ステージ上での動的な彼と、それ以外での静的な彼のギャップがある。
[ Queen現象 ]
先ほどはQueenの魅力について述べましたが、次に、なぜこんなにも多くの人々に現象化するほど広まるのか、ということについて考えてみました。
たくさんの要因があるとは思いますが、
『自分の内側から湧いてくる熱い思いを表現する』
という経験(体験)をしてみたいというのが人々の本音で、フレディのように自由な感性を持ち、それを好きな分野、得意な分野で表現していることに、心の奥底で羨ましいと感じているのでは、と私は思うのです。
もちろん、そうではないという方もたくさんいるとは思いますが、自分の気づいていない自分の思いというものは確かにあるものです。
そういった憧れ、羨ましいというような思いは、実は、自分もそうなりたいと願っていることが多々あります。
それ故、Queen現象というものは、生きづらさを感じている人が多い現代社会において、 自分らしさを表現し何かをつくりあげていくことを好む人々の現れなのかもしれません。
過去も今も日本でプームになるということは、自由に自分を出せる欧米などとは違い、他人と同じように生きていくことを余儀なくされる環境が、今なお続いていることが関係しているのではないでしょうか。
また、日本人には深い部分で熱い思いを持っている人が、実はとても多いのだと私は思っています。
みなさんも、映画というスクリーンの中での疑似体験だけでなく、
現実の世界で ’自分をつくることを楽しむ’ 経験をしてみませんか?